草

皆様はCBDというものをについてご存知でしょうか。CBDはCannabidiol(カンナビジオール)の略で、カンナビッドサティバ植物に含まれる天然の化合物のことです。あまり聞きなれないこの植物ですが、要するに麻薬で有名な「大麻草(Cannabis Sativa)」から抽出される化合物のことで、主に、美容液や電子タバコ用のリキッドなどの原料になったりします。麻薬と聞いて一瞬身構えてしまうかもしれませんが、本CBDは合法の代物です。医療大麻としては合法ではなく、あくまでも食品として扱われています。実は世の中は現在本CBDに関連する医療大麻が合法として認められる風潮となっており、日本も近い未来そうなるかもしれません。今回は過去から現在そして未来までどのように大麻が認められていったかをまとめました。

戦前、日本では大麻は違法ではなかった 

その昔、日本原産の大麻草の規制というものは日本には存在しなかったと言うことをご存知でしょうか。まったく規制がなかったわけではありませんが、薬物としての大麻とは日本では印度大麻が規制されており、しかもその印度大麻も1886年では鎮痛や、催眠剤のとして漢方として利用されていました。1945年のGHQによる統治まで日本で大麻草といえば、実は繊維原料という位置づけでした。当時まさか日本原産の大麻がコカインやヘロインなどと同列に扱われてしまうとは思わなかったのではないでしょうか。でしょう。

戦後、日本で大麻は違法となった 

戦後GHQの日本の統治が始まると、それまで大麻は「アサ」として生産が奨励されていた作物でしたが、1945年のポツダム宣言に伴うGHQ/SCAP発行の文章で麻薬の原料となる植物の植付、栽培など一切合切禁止されてしまいました。しかし、歴史的に日本人と大麻との繋がりは長く、GHQとの長い交渉の末1948年の現在の大麻取締法では、大麻を次のように定義している。この法律で「大麻」とは、大麻草(カンナビス・サティバ・エル)及びその製品をいう。ただし、大麻草の成熟した茎及びその製品(樹脂を除く。)並びに大麻草の種子及びその製品を除く。」この法律がある限り日本で個人的に所持できる大麻を原料とした製品は、茎や種子のみから抽出、製造された製品でなければ認められません。そして、茎や種子のみから取れるCBDの量は決して多くはなく、日本に食品として輸入されてくる入ってくるCBD製品はどれも値段が安くはないです。医療大麻として使用が認められていない日本では、保険を適用することはおろか、処方箋一つ出てきません。もできません。

海外の医療大麻(CBD)への動き

実は海外では医療大麻の理解が既に進んでおり、合法化の動きになっています。日本で規制を強めたアメリカですら、2019年の時点で50州のうち、33州が医療大麻を使用可能です。米国食品医薬品局(FDA)にもエピディオレックスと呼ばれるドラベ症候群と、レノックスガストー症候群の二つのてんかん症候群に対して医療大麻が薬事承認されました。日本はこのまま大麻のTHCの部分のみで、大麻=麻薬という既成概念をもったままでは医療大麻の分野においては世界に遅れをとってしまいかねません。

海外のCBD事情についてはこちら

現在の医療大麻(CBD)の日本での動き 

実はここ最近CBDのニュースが日本でも見かけられるようになりました。正高佑志医師によるGreen Zone Japanの設立後、てんかんなどで苦しんだ子供の関係者が本組織に相談しててんかんが改善されたなどの情報がもここ数年上がってきております。ただ、あくまでCBDは日本では食品としてのみ輸入可能で、保険も使用できず、一般の患者様にとって非常に高価なものです。子供のときの摂取量は少なくてすみますが、大人になったときは子供のときよりも多い量を摂取しなければ効果が発揮されない可能性があります。その際、保険を使用できないとなると金銭的に厳しいものになります。

日本の医療大麻への未来はいかに

2019年の3月19日沖縄及び北方問題に関する特別会議が開かれました。その際、秋野公造氏がアメリカのFDAでエピディオレックスが薬事承認された点について発言した後、日本で治験が可能か確認されました。政府参考人の回答としては、厚生労働大臣の許可を受けて輸入したエピディオレックスについて薬物として国内の患者様に使用することは可能と言う、かなり前向きな回答が出てきました。日本の治験制度は基本的に「治験は限定的に可能」という立場なので、もちろん実際に症例を重ねるには時間がかかるとは思います。しかし、まず治験という形でも日本国内で医療大麻が使われたという実例は今後の日本の医療大麻の未来に希望が出てくるのではないでしょうか。治験が繰り返され安全にてんかん治療などに利用された実績が貯まれば、正式に医療大麻が合法化され処方箋が出て、保険が利く形でてんかんで苦しむ方々が救われる世の中が来るかもしれません。

終わりに

ここまで日本の大麻の歴史から医療大麻の合法化までの展望について書きましたがいかがでしたでしょうか。治験の話が出るまではあまり合法化は現実的な話ではなかったかもしれません。が、しかし、直すぐとは言いませんが、何年後か先には、医療大麻が合法化する可能性はもうゼロではないと思われますですよね。また治験の動きや、法律の改定の話があがったら記事に致しますのでそのときはよろしくお願い致します。