既にドン・キホーテや楽天市場等で販売されるCBD関連製品は合法的に使用できるため、もはや身近なものになりつつあります。
しかし、THCについて詳しく知っている方は少ないのではないでしょうか。
なぜならWHOやWADAも認める安全性で有名なCBDとは違い、日本ではTHCは違法なので、知る必要もなければ、関わる必要もないというのが現状だからです。しかし、今回の記事では敢えて、THCについて詳しく書いていこうと思います。何か大発見がありかもしれません。
なお、本記事はTHCに関連する製品の利用を推奨する記事ではございません。THCの使用は麻薬及び向精神薬取締法により厳しく規制されていることをお忘れなく。
THCって何?
純粋な疑問ですがTHCとは何なのでしょうか。
THCはCBDと同じく、大麻由来の成分(カンナビノイド)で、テトラヒドロカンナビノール(Tetrahydrocannabinol)の略です。THCはΔ9‐THC TypeとΔ8‐THC Typeの2種類あります。一般的によく知られているのはΔ9‐THC Typeで、幻覚症状や、感情の起伏に影響を与えるといったような精神的作用が強いと言われています。
THCは合法なの?
THCは麻薬及び向精神薬取締法という法律で規制されています。
国にもよりますが、日本は濃度規制もないので、例え少量でも含まれていれば捕まってしまう可能性があります。
ゆえに、日本で大麻由来の製品を輸入しようと思ったらTHCは非検出レベルまで除去されてある必要があります。
なお、今現在巷に出回っている違法ドラッグや脱法ドラッグのいくつかは、このTHCの化学構造に似せて作られているらしいです。
THCはCBDとはどう違うの?
THCとCBDの大きな違いはCB1レセプターとの親和性にあると思われます。
THC:CB1レセプターとの親和性が強い
CBD:CB1レセプターとの親和性が弱い
あらゆる生物にはECS(エンド・カンナビノイド・システム)と呼ばれる身体調整機能が備わっております。
体内にある「内因性カンナビノイド」が加齢とともに体内での濃度が薄くなっていくことでこの機能が弱くなっているといわれています。
内因性カンナビノイドを適切な濃度て保つことができると、急性疼痛、神経障害痛、不安神経症等様々な疾患を改善させる可能性がございます。
逆に言えば、適切な濃度を保てなくなると、人体で様々な疾患が発生するリスクが高まってしまいます。
ECSは、体中にある受容体(レセプター)と内因性カンナビノイドが結びつくことで免疫や感情抑制などを調整します。
レセプターは体中に存在しており、その中でも大脳新皮質、小脳、眼などの頭部にあるレセプターがCB1と呼ばれています。
THCはCB1レセプターとの親和性が強く、結びつくことで脳に対して幻覚作用や、記憶障害を引き起こしてしまいます。
THCとは違い、CBDはレセプターとの親和性が低いため、精神的作用はないといわれています。
CBDは内因性カンナビノイドを分解するといわれる脂肪酸アミド加水分解酵素(FAAH)の働きを阻害する働きがあります。
つまり、THCは内因性カンナビノイドの代わりに受容体と結びつき「精神に悪影響」を及ぼすのに対して、CBDは体内のFAAHの働きを阻害することで体内の内因性カンナビノイドの適切な濃度を保ってくれます。
THCが医療現場で役に立つときもある?
CBDと比べ、人体に悪影響の多いTHCですが、医療現場で利用されるときも海外ではあります。
大麻をタバコのように吸うと、マンチー(Munchies)と呼ばれる異常に食欲が増すときがあります。
通常であれば食事をすれば満腹になっていくところを、いくら食べても満腹になった気がしないという現象です。個人差はありますが、人によっては家中の食料食事をすべて食べつくしてしまうほど過度になってしまうケースもあるようです。
これは大麻に含まれるTHCが、CB1に作用することで発生します。
普通の人がマンチーになれば不都合がありそうなもんですが、病気で食欲不振となってしまった患者さんには結構便利です。
実際これを利用して、がんの化学療法や、エイズ患者の食欲不振に対抗すべく合成THCを用いた医薬品が世の中には存在します。
つまり、必ずしもTHC=絶対悪というわけではありません。
がしかし、少なくとも日本は厳しく規制されているので絶対に利用してはなりません。だめです。
終わりに
今回はCBDの影に隠れがちなTHCについて記事にいたしましたがいかがでしたでしょうか。
通常、THCはCB1との結びつきの強さから、かなりの国では規制の対象となっています。
しかし、国によっては医療の現場で役立てている国もあり、THCだからと言って全く役に立たないわけではないです。そのうち日本でもTHCが利用される日が来るかもしれませんね。