大麻には、400種類以上もの化学物質が含まれています。
その種類の多さから、大麻は「小さな化学工場」に例えられるほど興味深い植物です。
現在、人気を集めているCBDオイルも大麻成分の一つです。
カンナビノイドの種類は、およそ70種類以上にも昇り、その中で最も有名なカンナビノイドは、CBDとTHCです。
最近では、大麻に含まれている新しい3つのカンナビノイドが発見され、このカンナビノイドの発見は、医療大麻に新たな可能性をもたらしました。
今回は、3つの新しいカンナビノイドについて解説していきます。。
この記事を読むことで、大麻に対する意識がずいぶん変わるでしょう。
イタリアで発見された新しいカンナビノイドTHCB、CBDB、THCP
イタリアで発見された3つのカンビナノイドとは、どのようなものなのでしょうか?
以下では、THCB、CBDB、THCPについて解説しています。
イタリアの研究チームが発見
イタリアを含むヨーロッパの多くの地域で、大麻は違法であるため研究をするにはイタリアの保健省から許可が必要でした。
イタリアでは、一部の処方箋として大麻が認められています。
研究チームは、医療という観点から大麻の研究に臨みました
その研究の末に発見されたカンナビノイドが、THCB、CBDB、THCPなのです。
THCB
THCBはテトラヒドロカンナビバリンの略称で、肥満に効果があると言われています。
しかしTHCBは大麻中に極少量しか含まれないため、人間への効果は薄いとされています。
そのため毎日大麻を吸ってもTHCBによる恩恵は、現時点では少ないでしょう。
CBDB
CBDのいとこであるCBDBカンナビジフォロールは、発見こそされていますが効能については未知数です。
しかし、現在人気を集めているCBDオイルと似ている性質を持っていることは確かです。
そのためイタリアの研究チームは、CBDBの抗痙攣作用について調べるとしました。
CBDBは、今後の研究でさらに効能が明らかになることが期待されている成分です。
THCP
テトラヒドロカンナビノールと名付けられたTHCPは、THCよりも33倍もの成分濃度であることが明らかになりました。
さらにTHCBよりも13倍THCVに関しては、なんと63倍もの成分濃度を示しています。
THCPの性質は、THCに類似しています。
同族の7原子アルキル基から成る、CBDPとともに単離されました。
この発見は研究員を驚かせただけでなく、新たな治療の応用としての可能性を示唆しました。
THCB、CBDB、THCPが人体に及ぼす影響
THCB、CBDB、THCPは人体に様々な影響を及ぼすと考えられています。
以下では、3つのカンナビノイドの人体への影響を解説しています。
新しい二つの脳内受容体
1980年代後半科学者たちは、大麻に含まれる化合物に直接反応する新しいタイプの脳内受容体を発見しました。
発見された二つの受容体はCB1、CB2と名付けられました。
THCPは、この二つの受容体に対して相互作用する働きがあります。
THCPはCB1の受容体に対して、THCよりも33倍高い親和性を示しました。
大麻に含まれる化学物質が、脳内ののCB1とCB2の受容体と結合できるという事実は、注目に値するものです。
マウスでは実験しているが人体への影響は未知数
マウスを使用したテストでは、THCPはTHCに似た効果を持つことが判明しました。
これらのカンナビノイドの研究は、全てマウスで行っています。
そのため人間での数値化が難しく人体にどのような影響があるのかは、まだよく分かっていません。
確かに、道徳的な観点から人体への実験は難しいかもしれません。
しかし今後大麻の人体への影響が明らかになることで、ますます大麻の研究は活発になることでしょう。
大麻はもっと研究されるべき植物
大麻は規制緩和で合法な国が増えてきていますが、依然として違法性のイメージが強い植物です。
その違法性から大麻に対する研究は、今まで妨げられてきましたが、今回の発見のように学ぶべき成分が多くあります。
CBDのように素晴らしい効能を持った成分が大麻には、まだまだたくさんあるはずなのです。
まとめ
ここまでTHCB、CBDB、THCPについて解説してきました。
これら3つのカンナビノイドの研究は、大麻のイメージを変えた素晴らしい研究です。
しかしまだ大麻には、人体への未知なる影響があります。
大麻は嗜好目的での使用だけでなく、今や医療目的への使用へとシフトチェンジしています。
そのためには、大麻に対する我々のイメージと規制の緩和が必要です。
今後の技術の進歩と大麻によって、恩恵が受けられる人が増えることを期待します。