現在様々な目的での使用が行われているCBDですが、やはり医療面での効果は気になる方が多いのではないでしょうか。
特にCBDに熱心な方は、CBDが喘息に聞くという話を聞いたこともあるのでは。
今回の記事では、CBDと喘息の関係について解説いたします。
大麻と喘息の関係
海外では大麻から得られるTHCやCBDなどのカンナビノイドの医療利用の研究が進んでいます。ガンや癲癇などへの有効性へのなど、医療面での話題が事欠かないなか、とても身近な疾患として喘息への効果がいま注目されているのです。
喘息ってどんな病気?
喘息とは呼吸器の病気です。
症状としては、呼吸器に刺激を受けると発作が始まり、気道が急激に狭まり呼吸がしにくくなる、場合によっては呼吸困難で命を落とすこともある、非常に危険な病気なのです。
また、症状が出ていない際も気道が炎症を起こしやすく、痛みが出たり風邪が重症化しやすかったりといった状態が恒常的に続きます。
国立研究開発法人国立成育医療研究センターによると正式には「気管支喘息」と名称されています。
喘息の原因
繰り返される咳により呼吸が苦しくなる喘息の原因は、主に
ダニ・ハウスダスト・ペット・花粉・真菌などのアレルゲンによるものと、タバコ・風邪・ストレス・気圧変化・大気汚染などのアレルゲン以外の誘因に別れます。
これらの原因に対しての反応は個人差によりますが、なるべく発作を防ぐためには、これらの原因から遠ざけることが大切です。
日本の喘息事情
日本国内の事情としてはアレルギー体質の人が年々増加傾向にあり、喘息は社会問題にもなっています。大人になってから喘息を発症するといった場合もあるようです。
原因としてはハウスダストや大気汚染物質がアレルゲンとなり、炎症を引き起こしているという説が有力だそうです。
大麻と喘息の関係
現在では喘息の発作を抑える薬が開発され、正しい治療法を行えばほとんど喘息を意識しないで良いほどになっています。
症状に応じて、飲み薬や注射、点滴、吸入薬など、様々な治療法が存在しています。
しかし第二次世界大戦以前、有効な薬品が開発される前は、伝統的に大麻が喘息の特効薬として使用されてきました。
1900年代初期の、アメリカでは鎮咳薬として使用されていました。
また、紀元前エジプトでの利用記録が見つかっていたり、また中国では大麻草を漢方薬として利用してきたといったこともあります。
過去の記録から考えるに、確かに大麻は喘息に対して有意な特効薬として利用されてきた歴史があるのです。
CBDで喘息の症状を改善できる?
伝統的に大麻が喘息の特効薬として利用されていたのは、大麻に含まれるカンナビノイド、特にCBDが喘息に対して効果を発揮するからではないか、と考えられています。
現在もCBDと喘息については様々な研究が行われていますが、CBDが喘息に効果的であると言える前向きな研究結果がでていることは事実です。
抗炎症作用が喘息の症状に有効?
喘息の症状には、発作が起きていない時にも気管が炎症を起こし続ける、といったものがあります。
これが恒常的な喉の痛みや呼吸のしにくさ、また風邪の重症化などに繋がるのです。
CBDには抗炎症作用があるとされており、喘息による恒常的な喉の炎症を抑えてくれるような効果が期待できます。
また、起きてしまった発作に対する治療ではなく、そもそもの炎症を軽減することができるため、喘息の根本的な治療が期待できるでしょう。
CBDが気管支を拡張してくれる
CBDを摂取すると、気管支が拡張するような効果が期待されています。
喘息の症状が発症した際には、気管支が炎症を起こし気道が狭くなることで、呼吸困難を引き起こします。
CBDが気管支を拡張することで、喘息の発作が軽減されると言われています。
喘息患者がCBDを使用した症例
実際に喘息の症状を持つ患者がCBDを使用した症例を集めましたのでご紹介します。
まだまだ科学的にはCBDが喘息に絶対的に効果があるとは言えませんが、症例がある程度CBDの効果を示してくれています。
2015年に報告された研究では、ラットにCBDを投与することで、喘息に関わる炎症性のサイトカインを減らす可能性が示されました
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4458548/
気管支喘息と咳嗽による脇腹の痛みを抱えた47歳女性の症例
こちらの症例では、47歳の女性が気管支喘息と慢性的な咳による脇腹の痛みを抱えていました。
この症状に対して、濃度8%のブロードスペクトラムCBDオイルを0.5ml摂取したところ、およそ10分ほどで咳が止まり、わき腹の痛みも消えたと報告されています。
CBDには鎮痛作用もあるため、喘息のみならず脇腹の痛みにも効果があったのではないかと考えられています。
不眠症と気分の波が目立つ、喘息様の咳嗽をもと19歳女性の症例
こちらの女性は喘息だけでなく、不眠症を抱えており、躁鬱の症状もひどいとのことでした。
濃度10%のブロードスペクトラムCBDを服用したところ、以下のような効果があったと報告されています。
- 使用2日目で喘息の咳が止まった
- 使用3日目で精神が安定し始め、自身・周囲共に実感した
- 使用7日目で日中の眠気が取れ、夜間ぐっすり眠れた
といった効果が報告されています。喘息に対する効果はもちろんのこと、精神安定作用やリラックス作用が、躁鬱や不眠症に対しても有意に影響したと考えられています。
CBDは喘息に効くのか?まとめ
今回の記事ではCBDが喘息に効くのかについて解説しました。
CBDの原料となる大麻は伝統的に喘息の特攻薬として使用されてきた歴史があり、抗炎症作用や気管支の拡張作用が喘息患者の症状を改善することに繋がると考えられています。
いまだに科学的にCBDが喘息に有意であるとの証明はなされていませんが、たくさんの症例がCBDの有意性を裏付けています。
今後もCBDの医療活用について、見逃せませんね。